テクノロジー番外編 ボーイング社の航空機製造工程紹介

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　ボーイング社では、アメリカ西海岸ワシントン州シアトルから約30マイル北にあるエバレット市郊外の「エバレット工場」、そして同じくシアトル南部にある「レントン工場」で航空機の組み立てを行っています。
　エバレット工場では、主にワイドボディー（B747型機・B767型機・B777型機・B787型機）を、レントン工場では、ナローボディー（B737型機）の組み立てを行っています。

　このエバレット工場は、世界中で唯一、ジャンボジェットや最新の航空機が作られていく現場を一般公開しており、毎日のように見学ツアーが行われています。

　エバレット工場の容積は4億7,200万立方フィート（1,330万立方メートル）で、敷地面積は東京ドームの２７倍・高さは１１階のビル相当であり、世界一大きな建物としてギネスブックにも登録されています。

　工場内に入ると、天井には機体の一部を吊り下げて運ぶためのクレーン用レールがいくつも走り、現場の作業員たちはエレベーターで移動します。
　工場内で使われているフォークリフトの数は100、クレーンは18で、それぞれ最高34トンの部品を持ち上げることができるとのこと。
　ここでは国内外の千社を超える業者から、輸送されてきた部品を使って飛行機を組み立てており、747型機には600万個、767型機と777型機は300万個以上の部品が使われています。3シフト制で2万5千人が勤務しているまさに超巨大工場です。

■ボーイング７３７（小型ジェット旅客機）
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　客席数100-200席の小型ジェット旅客機で、7500機以上が製造されているベストセラー旅客機。最新鋭技術導入で時代に応じた改良が加えられ、現在は第３世代ハイテク機となっています。

　組み立てには、トヨタ生産方式として知られる、必要な時に必要な部品を供給するカンバン方式が取りいれられています。

　ボーイング７３７NG－ Southwest Airlines The Making of Florida One


■ボーイング７４７（大型旅客機、愛称は「ジャンボジェット」）
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　大型旅客機747-400 の後継機として、現在は旅客型の747-8IC型「インターコンチネンタル」と、貨物型の747-8F「フレイター」が生産されています。

　　ボーイング７４７－８　 Intercontinental Lufthansa Assembly HD


■ボーイング７８７（次世代中型ジェット旅客機、通称ドリームライナー）
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　機体は炭素繊維強化プラスチック（カーボン）等の複合材料の使用比率約50%であり、残り半分が複合材料に適さないエンジン等。　このＢ７８７の最大の特徴である炭素繊維複合材は、東レが全面供給しています。
　また、三菱重工が主翼、川崎重工が前部胴体、富士重工が胴体と主翼をつなぐ中央翼などと、航空機体の要となる部分を日本メーカーが製造しています。

　特に川崎重工が担当した前部胴体については、通称「ワンピースバレル」と呼ばれる、つなぎ目の一切ない一体成形構造を採用し、世界でも前例のない挑戦となりました。
　ワンピースバレルは、炭素繊維複合素材（プリプレグ）を、直径約6m・長さ約10mに及ぶ筒状の治具（マンドレル）に巻き重ね、それをそのままオートクレーブと呼ばれる巨大な釜の中で焼き固めて硬化させることでその基本形ができあがります。

　この炭素繊維複合材の航空機胴体供給により、川崎重工はボーイングから、関連会社17,000社からベスト17社に与えられる「2011年度ボーイング・サプライヤー・オブ・ザ・イヤー賞」を受賞しています。

　ボーイング787シリーズの部品は、日本を含め、多拠点で製造されますが、アメリカの最終組立工場に搬送するために、中古の747-400を改修・改造した大型特殊貨物機「ドリームリフター」（DREAM LIFTER）が製造されました。
　ドリームリフターは、その内部に、B787の半完成の機体胴体や翼部品をすっぽりと格納できます。

　ドリームリフターはこれまで、愛知県、イタリア・グロッターリエ、カンザス州ウィチタ、サウスカロライナ州チャールストンなどで製造した787の主翼や胴体・エンジンなどの大型部品を、分解せずに機内に搭載し、最終組立工場であるエバレット工場へピストン輸送を行っています。

　　How to build the Air India Boeing 787 Dreamliner


　ボーイング７８７の特徴・魅力を詳しく知りたい方はコチラをどうぞ。
　　↓↓　ドキュメンタリー番組「ボーイング７８７の秘密」（2011年3月）
　　　http://www.youtube.com/watch?v=Gvtv2pKXDhA

タグ：テクノロジー 雑談