ノルウェー首相がお忍びでタクシー運転手に

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　ノルウェー国内では9月9日に総選挙が実施されますが、すでに選挙戦が始まっています。
　最新の世論調査では、イエンス・ストルテンベルグ首相が率いる与党の中道左派連合が敗北する可能性が高いとの結果が出ています。

　そんな中、同首相は、8月11日にフェイスブックやツイッターで、6月のとある日の午後にタクシードライバーに変装したことを明らかにしました。
　
　同首相は、「人々が本音を言える場所があるとすれば、それはタクシーだ」と述べて、政治について有権者の本当の関心を知るため今回の行動を取ったとし、「国民の真意を聞くことは重要」と語りました。

　公開された動画には、同首相がオスロ・タクシー（Oslo Taxi）の制服を着用し、首都オスロで黒塗りのベンツに乗り、次々と客を拾う様子を捉えた車内の隠しカメラによる映像が収められています。

　乗客の中には「この角度からだとこの人、本当に首相そっくりだ」とコメントする人や、運転手が首相本人であることに気が付いた乗客は、「タクシー運転業を始めたのか」「首相を辞めたのか」などと質問。政治的課題を口にする人も。

　一方、首相に8年間運転したことがないことを白状させた客もおり、首相の運転技術については、「不満」「死ぬことはないと思うが」「ひどい」などの声が聞かれ、乗客の評価は低かったようです。



　11日に公開された動画はソーシャル・ネットワークやメディアを通じて瞬く間に広まり、大きな反響を巻き起こしました。

　しかしこの動画について日刊紙ベルデンスガングは12日、乗客14人中の5人は労働党からの依頼に応じてタクシーに乗り込んだ客だったと報じ、労働党の広報も、この5人について、党のビデオ撮影に参加してほしいとの事前の要請に応じた一般市民だったことを認めています。

　ただ同広報によると、5人はタクシーに乗ってビデオ映像を撮影するということ以外、なにも知らされておらず、運転手がストルテンベルグ首相だと気付いたときの反応は純粋なものだったと説明しています。

　5人には「謝礼」として500クローネ（約8300円）が支払われたもようで、またストルテンベルグ首相はタクシーの運転資格を持っていないため、首相が乗せた乗客は運賃を取られなかったとのこと。

　このお忍びでタクシーを運転する首相の動画は大人気となっていますが、最近の世論調査では以前と変わらず、総選挙では現与党の中道左派連合は右派政党に大きく引き離されるとみられており、形勢逆転はなさそうです。

タグ：雑談